京都市南区 上鳥羽 京都の南端、上鳥羽という地名は、いまでは工業地帯や幹線道路の印象が先に立つかもしれない。だが、地名は土地の記憶を消さない。むしろ、表面が整えられるほど、下に沈んだ古い層が濃くなる。上鳥羽は、かつての山城国葛野郡鳥羽郷の一部で、洛中から南へ下った低湿地と水路の境目にひらけた土地だった。桂川・鴨川・その支流が運んだ土砂、湿地、微高地、そして街道が交わる場所。人が集まり、物が流れ、同時に、捨てられたものもまた集まる。…お気づきだろうか? 「鳥羽」という音は、優美な都の響きを帯びながら、その実 ...