導入 四条河原町。いまや京都でも屈指の繁華の交差点であり、百貨店、飲食店、ホテル、地下街、バス、観光客の流れが昼も夜も絶えない場所である。だが、この名をただ「賑やかな繁華街」として受け取ってしまうと、土地に沈殿した長い時間の層を見落とすことになる。ここは、鴨川と高瀬川に挟まれた京都の低地、旧来の河原の気配を濃く残す場所であり、かつては都の外縁、治水と交通、流通と隔離が交錯する境界でもあった。…お気づきだろうか? 人は、華やかな交差点の名を口にするとき、その足元にある「川」と「河原」の記憶を、あまりにも軽く ...