導入 京都市北区の船岡山は、いまや市街地に抱かれた小さな山として、静かな公園や眺望の名所の顔をしています。だが、その地形をよく見ると、ただの「丘」では済まされない輪郭が浮かび上がる。東西南北に広がる平地のただ中で、ぽつりと残された独立丘陵。古くから都の北を見下ろすこの場所は、ただ景色がよいから人が集まったのではない。都の防衛、境界、そして死者をめぐる気配が、長い時間をかけて重なってきた土地でもある。…お気づきだろうか。京都では、山はしばしば信仰の対象であると同時に、都の外縁に押しやられたものの記憶を抱える ...